中原エリアに住む・働く・生きる魅力的な人たちをインタビュー。がんばる誰かの日常が、誰かの背中をそっと押すような、そんなきらめく人たちをご紹介します。

「水引」 がつなぐ縁(えにし)の輪。背伸びせずひたむきに活動するユニット 『あそびのわとわ』

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「水引」 という、日本古来のシンボリックな象形を実にのびのびと自由な発想でアレンジしている二人組ユニット『あそびのわとわ』 さん。武蔵新城を拠点としつつ、まさに水引がつなぐ縁というべきか、お声がかかればあちらこちらでワークショップを開催するとっても多忙な関川 房代さんと坂井 美穂さんに創作や活動に込めた想いを語っていただきました。

 

互いの磁力が引き寄せ合った 「最適バランス」 の二人。補い合って無理のない活動ユニットに

坂井 美穂さん(以下、坂井さん) 私たち 『あそびのわとわ』 という創作活動が定期的に開催しているのは、月2回のワークショップで、今は 「水引」 をモチーフとしたアクセサリーなどを中心に展開しています。でも、活動を始めることになったときに掲げた私たちの想いというのは、実は水引に限定したものではないんですよ。

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美大を卒業しアートと関わる仕事を続けていきたかったという坂井さん

関川 房代さん(関川さん)そうなんです。私たちは家庭の主婦でもあるし、互いにとても忙しくしているので構想のまだスタートラインに立っている感じなのですが、もともと根差している想いというのは、 “子どもたちに日本の伝統や四季を感じることを体験してほしい” というもの。大人と子どものためのお教室なんです。私は特別アートに明るいわけではないですが、日々の暮らしのなかで日本ならではの文化や四季にアートを感じることって、誰にもある共通した感性だと思うんですね。そうした思いを身近なアートで表現したいなぁ、と漠然と思っていました。

坂井さん: 私の方は美大を卒業していますが、出産を機に生活スタイルも変わりました。なんとなくもう、この先アートに関連した仕事をしていく機会はないだろうな、とさみしく思っていたときに……。

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「細く長く続けていくためには、家族の理解なくしては始まらない」 と関川さん

関川さん: 私がスカウトしました (笑) 。最初の出逢いはなんと、同じ町内の母親クラブの役員同士だったんです。今でこそ 「息ぴったり!」 と言われる私たちですけど、意外と出逢ったのはつい最近。その頃、私はNPOで子どもに関わる仕事をしていて、坂井さんに出逢ったときにピン!とアンテナが立ってしまった(笑)。

坂井さん: そう(笑) 。後から聞いた話ですが、関川さんが日ごろ活動するなかで 「(一緒に活動するのに)こういう人がいたらな~」 と思っていたイメージに私がピッタリだったと言ってくれまして。そこで 「日本文化を伝える講師の養成講座」 に誘ってくれたんです。この活動が、ゆくゆくは私のライフスタイルに合っていくに違いない、というビジョンが彼女のなかで明確に見えたみたいです。私の方ではアート関連の活動を恋しく思っていたので、まさかこういう展開が訪れるとは思ってもみませんでした。その頃はまだ未知のことですし、家庭との両立など不安や迷いがあったのを主人が「やってみたら?」 と背中を押してくれたのです。

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関川さん: 主婦が家庭の外で何かを始めるとなったら、夫の支持が得られないと難しいものです。夫の意見を無視して勝手に始めるのではなく、理解をしてもらうことで細く長く活動をしていくことができるからです。私たちはそこはとても大事にしています。

坂井さん: そうなんです。家庭行事とバランスを取ることはとても大切。なので、必ず二人セットで動くのではなく、バラバラに動いてどちらかが家庭を優先させるなど、フレキシブルな動き方をしているんですよ。

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まだまだ夢の途中。2020年という好機を前に、日本の伝統美を大人と子どもが一緒に学び合う講座を目指す

坂井さん: 「フレキシブルな動き方」 と言えば、私たちのユニット自体のバランスもそういう意味ではとってもバランスが取れているんですよ。私たちのそれぞれに、得意なことや性格の上での違いやメリハリがあると思うので、たとえばロゴやパッケージといったデザインワークなどは、クリエイティブ・ディレクターとして私が担当します。一方で、コミュニケーションを主とする人と接するパートを関川さんが担当する、という業務面での役割分担も自然とそんな感じになっていきました。

関川さん: 私は人と接することが苦じゃないどころか、むしろ好き。私たちは互いを活かしながらの二人組で、一人ではできないことも、二人ならできるということがたくさんあるんです。けど、「対人面は関川」 と言いながらも、実は坂井さんの方が管理能力が長けています。つき合いのなかでつい受けてしまう仕事が限界を超えてしまうときなんかは、彼女から 「できないことはNOと言おうよ」 と言われることで、ハタと初心に帰ることができたり。冷静に見つめ直して無理を続けているかどうか、すべき決断を判断することができるのは彼女のおかげなんです。

坂井さん: そんなふうに絶妙なバランスでやっていますが、アートワークに関してもそうなんです。それぞれ好きなようにつくりたいものをつくっています。特徴があると言えば、関川さんはシックな色合わせのものやクラシカルな作風が多く、反対に私は割とポップな色合わせの作品が多かったり。

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関川さん: 今は私も坂井さんも、いろんな活動に参加するようになりました。楽しい一方で、アートワークにかける時間を捻出するのが難しくなってしまったのが一つの悩みでもあって。水引はとても奥が深く、すっかり夢中なんです。制作の時間をきちんと持てていけるようにすることが目下の願い。目標ということで言えば、細く長くの展望のなかに、海外の方へも発信していきたいというのがあります。まだ実現に至っていませんが、東京オリンピックも間もなくで訪日客も増えますし、和の文化を体験できる会をぜひ設けたいと思っています。子どもも大人も一緒に創作体験ができるうえに、日本土産としてもぴったり。あ!そうなると、海外向けのテキストもつくりたいなぁ!

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坂井さん: また忙しくなるね(笑)。私は、今の講座は割と単発での生徒さんが多いのですが、これをできるだけ継続した複数回で完結する講座に育てていきたいと思っています。やっぱり、根底にあるのはアート全般についてきめ細かくレッスンしていきたいという個人的な目標もあって、講座で得たことを糧にして日々の暮らしにほんの少しの豊かさを添えてもらえたらステキだなと思っています。

それにしても水引って、本当に縁起物なんだなって思うことがしばしば。

関川さん: いやほんと。毎回どこかでワークショップを開催すると、そこで新たな出逢いが必ずあるんですよ。

坂井さん: 縁がつながっていくんですよね。この先もきっと、たくさんの縁を紡いでいってくれるんでしょうね。

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「ぜひ気軽な気持ちでワークショップに遊びにきてください」。

 

あそびのわとわ

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